ANNUAL EXHIBITION 2023 KYOTO CITY UNIVERSITY OF ARTS

日本画専攻、大学院２回生の中辻です。

模写のゼミなので、普段の制作では模写をしながら自分の制作にそれをどう活かすかを考えて制作をしています。展覧会をする時には馬が好きなので馬の絵をよく描いてます。

いえ、制作に活かしたいので馬の出てくる絵をテーマに模写をしています。なので今回の制作展でも馬の絵を模写しようと決めました。

学部の時はあまり模写はしていなかったのですが、３回生の時に模写をしたことをきっかけに、自分で描いている時には分からなかったことが模写を通して分かったのでもっと勉強したいなと思って。

はい、模写を選択して大学院に進みました。

私のおじいさんが競馬が好きで、小さい時から家に行くと競馬中継が流れていたんです。それを見ながら応援する馬がいたり、競馬場に連れて行ってもらったり、乗馬体験にも行ったりして、将来は絶対に馬を買うって思っていました（笑）
小学校の時と中学校の時の卒業文集の中に「将来の夢」を書くところがあって、「馬と暮らす」と両方に書いていました。

今回模写をするのが橋本関雪という日本画家のこの屏風です。私が今回模写するのはこちらの走っている2頭の馬の上に乗った満州族の人が狩りをしている様子を描いた屏風です。これは今年の7月頃にあった回顧展で展示されていたもので、それを観に行った時にこの方の馬の絵がすごく好きになりました。普段は小さい絵を描くことが多いので、馬全体の量感や筋肉の感じはなかなか描けへんなーって思っていたのですが、橋本関雪の作品を観て少ない線でこんな風に描けるんやな、ということが分かったのでそれを勉強させていただきたいなーと。で、この絵が特に好きだったので模写をさせて頂けるようにお願いして許可が取れたので模写をすることになりました。

そうですね。自分でお願いしたり先生にお願いしてもらったりして許可をとってから模写をする、という感じです。

モンゴルは馬の国なのでいつか行ってみたいと思っていたところ、ちょうど常磐津部にモンゴルの留学生の人が来たんです。モンゴルの話を色々と教えてもらってめっちゃ仲良くなって、それでこの夏休みに1ヶ月モンゴルに行ってきた、という感じです。これがモンゴルで描いていたスケッチです。

めっちゃすぐそこにいます。泊まっていたマンションの真ん中の所に塀で囲まれた空き地みたいなところがあって、その塀の向こうからすごい獣臭がするなって思って隙間から覗いたら馬がおって。「わ、馬おるーって」ちょっとこう破れ目から入って観に行って、描いたりとか。

はい。すぐそこの塀の向こうにヤギもいる、とか。モンゴルで実際に馬に触れて、こんなにあったかいんや〜とか、毛すべすべなんや〜とか肌柔らかいんやとか、たてがみは結構たわしみたいな感じなんやとか。こういうことを観た人に見て分かるように描きたいと思うのですが、まだ自分の制作ではそこまで表現できていないと思っているので、それを今回の模写で勉強したいと思っているところです。

前のキャンパスと比べるとスペースがめっちゃ広くなりました。以前だったらスペースの問題で描けなかったかもな、くらいの大きさの馬を今描かせてもらっているので、その点はすごい良いタイミングで残れたなと思っています。

全然決めていないのですが、絵を描きながらモンゴルに住みたいという気持ちがあります。内モンゴル自治区は中国語圏やから中国語の勉強をしないといけないので、来年はバイトをしながら中国語の勉強をして、前より長めにモンゴルに行って向こうでちょっと生活してみたいなと思っています。

自分の制作のための模写でもあるのですが、沢山の人に協力していただいているので、絶対完成させたい気持ちと、大好きな絵なので精一杯頑張りたい気持ちがあります。